SAN (Storage Area Network)ソリューションは、通常高価なファイバチャネルアダプタやスイッチを中心に構築され、専用のファイバチャネルデータネットワークとは別のイーサネットメタデータネットワークを必要とします。SANは、クライアント側には、ローカルディスクとしてみなされるため、クライアント側はほぼ遅延なく、ファイルシステムと直接やりとりできます。 SANストレージシステムはブロックデータのみを認識し、ファイルシステム処理はクライアントPCに任せます。
NAS (Network Attached Storage)システムは比較的簡単で管理が簡単ですが、イーサネット接続の約50〜70%しかIP帯域幅を利用できず効率がよくありません。NASは、クライアントPC側にはファイルサーバーとして表示され、クライアント側は共有ネットワークドライブを割り当てる必要があります。 NASは、ファイルとメタデータを認識し、ストレージとファイルシステムの両方を提供します。
NASシステムはファイルを認識しているため上位レイヤーで動作し、結果、読み取り/書き込みプロセスに多くの遅延をもたらします。SANストレージは下位層で動作するため、実質的にも高速です。「SANとNAS、どちらを使用するのか?」ということに関しては何年も白熱した議論がかわされてきました。
DDP(Dynamic Drive Pool: ダイナミックドライブプール)は、 IP-SANベースのソリューション で、1つのボックスから1つのイーサネットネットワークに至るまで、両方の利点を実現しています。Ardis 仮想ファイルシステムとiSCSIプロトコルにより、DDPは利用可能なイーサネット帯域幅のほぼ100%を使用することができます。市販の一般的なNASシステムとは異なり、DDPドライブはローカルドライブと同じように動作し遅延や待ち時間はありません 。
ISCSI&AVFS
iSCSI (Internet Small Computer Systems Interface)は、1Gb /秒、10Gb /秒、40Gb /秒、100Gb /秒の速度で従来のイーサネットネットを使用することを除けば、ファイバ・チャネルのようなブロックレベルのSANプロトコルです。NAS プロトコル は、基本的に 高レベルプロトコル処理の 性質上、iSCSIよりも低速 です。 一方でiSCSIは、NASと同じイーサネットインフラストラクチャで動作しますが、より高速で効率的なデータ転送プロトコルです。
AVFS (Ardis Virtual File System)は、NASのインテリジェンスと使いやすさをiSCSIブロックレベルのSANの速度とパフォーマンスと組み合わせた革新的なテクノロジーです。 AVFSは、DDP内で統合メタデータコントローラとして機能します。イーサネットSAN上のアクセス管理を担当し、どのユーザでも読み込みや書き込みの同時処理が可能です。
AVFSはNASよりも高速であるばかりでなく、はるかに効率的です。NASのクライアントーサーバ間のプロトコルハンドシェイクは、CPUサイクルを大量に消費し、クライアントアプリケーションに必要なCPUリソースを浪費します。AVFSを使用することで、NASクライアントでは7倍速、ストレージサーバでは12倍速でその負担を大幅に抑え、転送される データブロックあたりに必要なプロトコルハンドシェイクの量を最小限に抑えます。その結果、より多くのクライアントが同じストレージシステムを共有できるようになり、クライアントアプリケーションで使用できるCPUサイクルがより多くなります。
DDPにより、プロジェクトとファイルレベルの共有が完全に可能になるばかりでなく、ポストプロダクションとブロードキャスト向けの革新的な技術をフルにお使いいただけます。マルチメディアに関わる方々は、デスクトップドライブが大量のデータを定期的に処理する必要があることを認識していらっしゃるかと思います。アドビ、Avid、アップル、グラスバレー、オートデスク、イメージシステム、フェアライトなどの動画音声編集ソフトは、遅延なくドライブやボリュームに直接かつ高速に同時アクセスすることが頻繁に必要となります。
マルチメディア業界のもつ日々の課題に加え、容量制限、バックアップなども課題です。マルチメディアは、大容量データを必要とし、容量制限の壁や定期的な信頼性の高いバックアップの必要性への不安が常に伴います。
Ardis Technologies社のAVFS / iSCSIシステムの導入が、NASのシンプルさと機能を備えたSANの利用を実現します 。AVFSは、1つのイーサネットネット網を使用して、NASのシンプルさとiSCSI SANプロトコルのパフォーマンス上の利点を兼ね備えています。つまり、いいとこ取り、両方の利点を兼ね備えているというわけです!