フォルダボリューム
DDPフォルダボリュームの使用によって、AVFS DDPボリューム内部のあらゆるフォルダにボリュームプロパティを割り当てることが可能です。
フォルダボリュームは、任意数のルートを持つ名前空間(ネームスペース)がメディア編集アプリケーション・資産管理ソリューション、及びアーカイブシステムに関する共通の問題を解決することをサポートします。
例えば、Avid編集アプリケーションを使用した場合、AvidMediaFileフォルダは固有のボリュームルートの元に置く必要があり、さらにファイル名はAvidが自動生成するものとなります。そのため、単一の巨大なボリュームのなかに複数のジョブが格納されている場合には、ファイルシステム内のどのデータがAvidの特定プロジェクトに関連付けられているかを視覚化するのは非常に困難といえます。 DDPフォルダボリュームを利用することで、管理者がジョブやあるいはメディアセットに固有のボリューム作成を可能とすることで、Avidワークフローのメディア管理を強化することができます。
フォルダボリュームを使用する場合は、データを複数のSANボリューム間で移動させる必要はありません。残念ながら今までのSAN環境では、ユーザが全データのアクセス権を与えないまま、特定のボリュームのリソースをシェアしたい場合、コピー作業などが一般的でした。ただ、それは時間・帯域幅・スペースだけでなくデータ複製を生成するのにも煩雑で手間のかかるフローといえます。
ボリュームプロパティを特定のフォルダに与えて、ユーザが実際のボリュームであるかのように接続する。DDPフォルダボリュームではこのようなインテリジェンスな作業が即座に、いつでもできるのです。
クオータ制御
ストレージ共有施設では、ときおり新規メディアをインポートしている最中、一時的にボリューム容量を増やす必要が発生します。さらにその対応後また縮小しなくてはいけないこともあります。これらの一時的な増加・縮小はストレージにおける共通の課題と言えます。
例えば、システム構成によっては容量縮小とは複雑な作業であり、ときにコストがかかります。空きスペースが実際にいくらかできるまで、ボリュームデータの再配分が必要となるからです。
DDPフォルダボリュームの使用はこの課題への効果的なソリューションになります。管理者は、QuotaControlを有効にしてスペースを制限し、ユーザによるフォルダボリュームへの閲覧や使用を管理することができます。
クオータ制御が設定をオフにすれば、ユーザは親DDPボリューム全体容量の使用が可能となり、他のフォルダボリュームに空きスペースが無くなるまで自由にデータをコピーすることができます。
クオータ制御ではデータの再分配は不要となります。フォルダボリュームを即時やオンデマンドで拡張・縮小するといったプロセスを実現するのです。フォルダボリュームに空きスペースが必要な際には、クオータサイズは一時的に増大し、不要となれば元のボリュームに戻ることが可能です。
クオータ制御は管理者がフォルダボリュームの制限を動的に管理することができ、さまざまなジョブやクライアントに対してSANでどれくらいの容量が消費されるかを適切に管理することで資源投資を最適に活用できます。